こんにちは、親を見守る.com 運営事務局 の およ@介護 です。
老老で暮らしていた84歳の父(要支援1)が脳梗塞になってから42日目、入院32日目となりました。
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入院から1ヶ月も過ぎて、とうとう今日、退院に向けたカンファレンス(会議)が行われました。
カンファレンスは医師や看護師、ケアマネさん、家族、(うちの場合は本人も)が参加してなされる退院に向けての準備です。
この記事ではその様子をお伝えします。
この記事は老老介護で暮らしてきた老親の片方が脳梗塞で入院した時の様子をお伝えする体験談です。
▼この記事はこんな方のお役にたてます。
- 老老介護で暮らしている親をサポートされている方
- 老老介護で暮らしていた親の一方が入院することになった方
- ご家族が脳梗塞で高次脳機能障害を負った方
知りたい情報にひとっ飛び!⇒目次
- 退院に向けてのカンファレンスとは | 退院後の生活に向けた準備
- 退院に向けたカンファレンス | 84歳、脳梗塞で軽度の高次脳機能障害の父の場合
- 84歳脳梗塞で軽度の高次脳機能障害で入院32日目、医師からの説明 | 入院時の状態と現在の病状
- 脳梗塞の退院に向けたカンファレンス | 脳梗塞再発防止のためのポイント
- 退院に向けたカンファレンス | 脳梗塞再発防止のために日常生活で気をつけたいこと
- 脳梗塞の退院に向けたカンファレンス | 退院後の高次脳機能障害のリハビリについて
- 退院後の懸念 | 高齢で高次脳機能障害の父、1人でお留守番できる?
- 老老介護の懸念 | 高齢で高次脳機能障害の父、1人で外出できる?常に付き添いが必要?
- 脳梗塞で軽度の高次脳機能障害、退院32日目でついに退院日が決まる
- 脳梗塞の退院に向けたカンファレンス | 軽度の高次脳機能障害を負った本人を参加させるかどうか総合判断で。
退院に向けてのカンファレンスとは | 退院後の生活に向けた準備
病院でする退院にむけてのカンファレンスとは、医師や看護師、家族、地域のケアマネージャーさんなどが、高次脳機能障害を負った本人のためにする、退院にむけた会議です。
【参加者】
- 医師
- 看護師
- 家族
- ケアマネージャー(いる場合)
- 本人(本人の希望や病院側の判断などによる)
- 作業療法士さんなど(場合による)
【内容】
- 医師からの病状説明
- 家族からの質疑応答
- 退院日の決定
- 看護師から退院の手続きの説明
- 退院前の栄養相談の説明
退院に向けたカンファレンス | 84歳、脳梗塞で軽度の高次脳機能障害の父の場合
父の場合、カンファレンスに参加した人は
- 担当医
- 看護師(担当看護師の代わりに上席の看護師)
- およ@介護(娘)
- およ母(妻)
- ケアマネージャーさん
- 本人
6名でした。
84歳脳梗塞で軽度の高次脳機能障害で入院32日目、医師からの説明 | 入院時の状態と現在の病状
まず医師から入院時の状態と現在の病状について説明がありました。
幸い入院中に脳梗塞は再発していませんでした。
MRIの画像を見ながら懇切丁寧に説明してくれます。
画像には入院時には脳梗塞でやられてしまった部位が真っ白くうつっていますが、入院27日目と撮った画像では白さはうっすらとしていて、痕跡のようなものになっていました。
また入院時のMRI画像では頭が全体に腫れていて、入院27日目の画像に比べると全体が少し大きくなっています。
父のように、手足のしびれや麻痺、運動機能がまったく損なわれず、外見からは脳梗塞とは全くわからない、「あれ?認知症になったかな〜?」というケースは非常に珍しく、今回の退院に向けたカンファレンスでも家族は先生になぐさめられました。
お父さんのような認知・記憶の部分だけの高次脳機能障害の場合、ふつうの病院に連れて行っても「認知症かな?老人性うつかな?」となって、慎重に診断される事が多くなりますね。認知などの場合、会話をするなど時間をかけて慎重に診断していく事になりますから。
我々のような脳卒中センターで年間何百件の脳梗塞を扱っている医師だと、「あれ?脳梗塞かな?認知症かな?老人性うつかな?」と判別するためにまずMRIにかけますが、ふつうの病院ではMRIまでかけないでしょうね。
実際、父の場合こちらの病院に来る前に「脳神経クリニック」にも連れて行っていますが、MRIは撮られずにCTしか撮られませんでした。
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→手足のしびれや麻痺、運動機能がまったく損なわれない脳梗塞に見舞われた父
高齢の親に「認知症かな?老人性うつかな?」という症状がある場合、脳卒中の専門外来(脳卒中センターなど)がある病院でMRIも撮ってもらいましょう。
*紹介状が必要な病院が多いので、かかりつけのお医者さんに紹介状を書いてもらいましょう。
脳梗塞の退院に向けたカンファレンス | 脳梗塞再発防止のためのポイント
父は家にいて脳梗塞になりました。
しかし手足のしびれなどい運動機能にはまったく問題がなく、認知・記憶の部分だけの脳梗塞だったので、本人が思い出さない限り、
いったい家の中の
- いつ
- どこで
脳梗塞になったのか分かりません。
なので退院して家に戻るという事については、また同じような状況になるかもしれないという事を家族は覚悟しなければなりません。
脳梗塞の再発を防ぐために担当医の先生にポイントを教えてもらいました。
【脳梗塞再発を防ぐポイントは2つ】
- 薬での管理
- 血圧の管理
お父さんの場合、現在、処方している薬は3種類
バイアスピリン 100mg
プラムクス 25mg
ファモチジン(胃薬)
脳梗塞予防となるバイアスピリンとプラムクスについては現在強めに出しています。
退院後外来の方で2~3ヶ月を目処に減量していく予定です。
次に、血圧の管理。
【84歳で脳梗塞を発症、退院後の理想血圧】
血圧の理想値は[上140 下90]より低い状態
となります。
退院に向けたカンファレンス | 脳梗塞再発防止のために日常生活で気をつけたいこと
続いて、日常生活でのポイントを教えてもらいました。
- 毎日血圧を測る
- 水分をしっかりと摂る
- 栄養のあるバランスの良い食事
脳梗塞の再発防止にはとにかく血圧の管理が重要です。
値に一喜一憂することはないですが、高血圧の状態が続いているなどの場合は注意が必要です。
水分はお小水との関係もありますが(飲みすぎるとトイレに行きたくなる)、なるべく摂りましょう。
という訳で、退院前に
家族と本人が栄養相談を受診する事になりました。
脳梗塞の退院に向けたカンファレンス | 退院後の高次脳機能障害のリハビリについて
父は現在3つのリハビリを受けています。
- 理学療法(PT)
- 作業療法(OT)
- 言語療法(ST)
*「PT」「OT」「ST」という言葉、医師や看護師、ケアマネージャーさんからポロッと出てくる言葉です。区別できておくと話をスムーズに理解できます。
父の現状を考えるとリハビリは続けることになりました。
今回の脳梗塞によって運動機能に全くの衰えはない父ですが、
特に言語機能や会話の理解力については脳梗塞前の父と比べると落ちました。
なので、言語療法や作業療法は必須です。
現在の医療制度上、退院後のリハビリは
医療保険でやるか介護保険でやるか
の二者択一しかありません。
父の場合、月の始めに介護認定の区分変更を申請(介護度を上げる申請)したところでまだ結果が出ていません。
介護保険が微妙なので、しばらくは病院の外来で医療保険でリハビリが続きそうです。
リハビリは週に1回、3~4ヶ月だそうですが、
これは毎日リハビリをしていた入院時と比べるとかなり少ないです。
そのため病院でやっていた「しりとり」や計算などの作業療法を家でもやると良いとのことでした。
そして父の場合は何より
あれ、リハビリにとってもいいんですよ!
立体的に見せるために空間について考えたり、色を選択したり。
頭使わないとできませんから。
ぜひこれからも油絵描いていってくださいね!
退院後の懸念 | 高齢で高次脳機能障害の父、1人でお留守番できる?
高齢で高次脳機能障害を負った父を介護する家族としては、気になるところです。
まったくお留守番ができない(一人でおいておけない)となると、家族の生活は今までと一変します。
幸い、担当医の先生のお答えは
そこは大丈夫です!
何たって「ザ・昭和の男」だった父。
「男子、厨房に入らず」を貫いていましたから。
部屋の暖房もエアコンだし、ここは特に問題なさそうです。
脳梗塞になってから父は母に絶大な信頼をよせています。妻であるということはもちろん分かっているのですが、小さな男の子がお母さんを頼りにしているようなところもあります。
そこで出てきた母の疑問でした。
何時に戻るよ、大丈夫だよ、
ということを明確に紙に書いて置いておけば大丈夫ですよ。
な〜るほど。
紙に書いておけば短期記憶が弱い状態の父でも大丈夫ですね。
老老介護の懸念 | 高齢で高次脳機能障害の父、1人で外出できる?常に付き添いが必要?
次の質問はこれ。
父はお友達との会合が大好きで、よくお出かけしていました。
これも切実な問題です。
お出かけの度に家族が付き添わないといけないとなると家族は大変です。しかも高齢の母の場合、これはものすごく負担になります。
「大変だからお出かけなんてやめさせれば?」という声も聞こえてきそうです。
しかし、父の場合、友人との会話や油絵のサークルに出席して絵を描く事も良いリハビリとなります。
老妻が高次脳機能障害を負った老夫のお出かけをサポート。
老老介護で乗り越えなければならない緊急課題になります。
最初は一緒に行ってください。
次に一緒に付き添ってください。
つまり、後ろからそっとついて行って、横断歩道を渡れるか、駅の改札口にきたらパスモ(やスイカ)を出すか、タッチできるか、いつものホームに降りれるか、などをチェックます。
そして間違いそうになったらさりげなく修正。
これを繰り返して行って初めて一人で外出ができるようになります。
う〜ん。これは高齢の母にはかなりハードルが高そうです。
地域の有償ボランティアの見守りサービスで相談してみましょう。
・・・少し光が見えてきました。
介護保険ではできないサービスも有償ボランティアなど地域で使える制度があるか調べてみましょう。
脳梗塞で軽度の高次脳機能障害、退院32日目でついに退院日が決まる
いよいよ退院日の決定です!
これには全員ドテッ・・・
来週以降いつでもいいですよ。
ご家族の都合で。
結局家族の都合もあり、退院はこのカンファレンスの日から9日後となりました。
これには穏やか〜(になったはず)の父もさすがに
かなりご機嫌斜めになりました。ごめんね。
【84歳・要支援1の父、脳梗塞で軽度の高次脳機能障害 | 入院32日目の様子】
- 雑誌を読むのを楽しみ内容も少し理解できている様子。
- 退院を今か今かと待ちわびてポケットにスケジュール帳とペンを常備。日時の把握については弱いが時間の把握(リハビリの始まり時刻、カンファレンスの始まり時刻など)は時計とにらめっこでできる。
- ネガティブな感情もあらわすようになる(不機嫌やイライラなど)
脳梗塞の退院に向けたカンファレンス | 軽度の高次脳機能障害を負った本人を参加させるかどうか総合判断で。
高次脳機能障害を負った高齢の本人を退院に向けたカンファレンスに出席させるかどうかですが、
うちの場合は看護師さんが
と言ってくれたので参加しました。
父の場合は「会議がある」「いつある」「退院についての内容だ」は理解できていますし、
「退院についての会議=すぐ退院できる」という本人の誤解もあり、
母や私、ケアマネさんが病棟に到着する頃には参加する気で一同を待ちかねていました。
そこで看護師さんのお言葉に甘える事に。
しかし・・・
カンファレンスでは医師の一通りの説明が終わった後で、
みんな一瞬固まりました。
その他
(←この度の脳梗塞により日本語の言語能力に欠落した部分があるが、英語はしっかり出てくる父。)
*プリミティブ=初歩的な[/chat]
(←この病院に来る前のCTだけ撮った病院の話とこちらの病院でMRIを撮って入院した話。
だからそれはもうお医者さんが説明してくれたんだってば・・・)
とかなりチンプンカンプンな質問もあり、お忙しい医師や看護師、ケアマネさんの時間のロスになってしまったのではないかと思います。
退院に向けたカンファレンスでは、退院後の生活に向けた重要な事柄の説明や家族の質問への時間の方が大切です。
本人をカンファレンスに参加させるかは本人の状況(認知度や理解度)、医師や看護師の忙しさを見て判断しましょう。
- 退院に向けたカンファレンスで医師や看護師に質問することを家族で事前に話し合っておきましょう。
- ケアマネさんがいる場合、一緒に出席していただきましょう。退院後のリハビリを医療保険でやるか介護保険でやるかの話がスムーズになります。
- 本人をカンファレンスに参加させるかは本人の状況(認知度や理解度)、医師や看護師の忙しさを見て判断しましょう。